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職場セクハラの実態と法的問題~雇用保護を中心として

 今回記事がダブっているのですが、ブログの構成上続きを読みにくい
という部分があるので、あえて全て閲覧出来るように、一つの記事にまとめ
ました。

 タイトルもともと、この論文を書いた当時の表題を割り振りました。
引用、参考文献は「続き」に記載しました。
 参考にして頂けると大変に嬉しいです。また皆様のセクハラの
認識、理解の手助けになればと思うのです。


論旨の概要

 企業のセクシュアル・ハラスメント防止についての取り組みが、
「広い意味での被害者の雇用保護」になるとの考えから、「4被害者の雇用保護」において、
広い意味での雇用保護を導きだす為に、企業の使用者責任を明らかにして、さらに企業の
セクシュアル・ハラスメント防止の取り組みの実効性を高める、改正男女雇用機会均等法11条
および指針というセクシュアル・ハラスメントの防止対策のガイドラインにそったセクシュアル・
ハラスメント防止が使用者責任の免責(民715条)とどのように関わってくるのかについて言及した。

 1では、セクシュアル・ハラスメントの定義を違法なセクシュアル・ハラスメントと道義的な
責任を負うセクシュアル・ハラスメントに分けて定義を述べ、そのa)においてはセクシュアル・
ハラスメントの分類を述べ、米国と日本の違いについて述べた。

 次には、2では、セクシュアル・ハラスメントが民事ではどのような責任があるのか、
刑法での責任はあるのかに述べ、a)では使用者の不法行為、そして使用者の債務不履行
について判例を紹介した。

 3では旧男女雇用機会均等法と改正男女雇用機会均等法の改正での違いが
分かるようにした。さらに、その中では使用者責任の免責(民715条)と男女雇
用機会均等法11条の指針というガイドラインの関係にも言及した。 そして、
この論文の主要点である、「被害者の雇用保護」を「広い意味での雇用保護」として
論じる為に、それまでに述べてきたことを踏まえて、結論づけた。



【目次】
1セクシュアル・ハラスメントの定義
a)セクシュアル・ハラスメントの分類

2セクシュアル・ハラスメント被害者救済の法的枠組み及び判例動向
 a)使用者の不法行為及び債務不履行の成立

3職場におけるセクシュアル・ハラスメントと旧男女雇用機会均等法21条及び指針
 a)改正男女雇用機会均等法11条とその実行性(改正ポイント)

4被害者の雇用保護




1・セクシュアル・ハラスメントの定義

 今日セクシュアル・ハラスメントの定義は一般的に「相手の意に反する不快な
性的言動(1)」と説明されている。このように説明されると、全ての性的な言動が
違法なセクシュアル・ハラスメントなのかと思ってしまいがちであるが、「相手方の
意に反する性的な言動」が全て違法評価を受けるわけではないということを知っておく
必要がある(2)。当該行われたセクシュアル・ハラスメントに違法性の存在がなければ、
道義的に責任を問うことは可能でも、法的責任の追及は出来ないのである。
 
 そもそも、人間である我々が性的な関心、感情を抱くことそれ自体は害悪では
ないと言える。日常の生活の中で誰かに性的関心を持ち、「お付き合いを申し込む」
「婚約をする」「婚姻をする」ということには少なからず性的な部分を含むし、それをさ
れた相手方が、その人が好みのタイプではなく「不快」に感じたからと言って、法的責
任を問いうるとすると、日常の社会生活は健全な形で機能しなくなる(3)。

 つまり、この問題は人間としての性的な感情を全て否定するものではないという
ことである。只、その性的関心、感情が起きた場合の相手方へのアプローチの
仕方が時として、法的責任を含む問題となって現れてくるのである。すなわち、
何らかの違法性を含むことが要件であるから、法的な定義としては「相手方
(被害者)の意に反する違法な性的な行為
(山田省三 日本労働学会誌94号 p35)」となるのである。

 
a)セクシュアル・ハラスメントの分類
セクシュアル・ハラスメントにはどのような類型があるのであろうか。よくセクシュアル・
ハラスメントの説明をするときに使われるのは「対価型ハラスメント」と「環境型ハラス
メント」の二つの類型である。
 
 前者は、「性的な要求を拒否したことなどを理由として雇用上不利益な決定を行う
場合(4)」を指し、その不利益の内容は解雇・降格・減給・配転などを指し(5)、後者は
「性的な嫌がらせにより職場環境を悪化させる(4)」ことを指し、男性社員がヌードポスター
を職場の壁にはったり、猥談を女性社員に持ちかけたり、というような場合を指す。

 ところで、このような分類で説明をするのは米国の影響が大きい。このような分類は
米国の雇用差別禁止立法の下で発展してきた法理である。
米国における雇用機会均等委員会(EEOC)のガイドラインにおいて、
「対価型セクシュアル・ハラスメント(quido pro quo sexual harassment)」と
「環境型セクシュアル・ハラスメント(hostile work environment sexual-
harassment)」の双方が、公民権法第7編違反の性差別にあたるとされたのである(6)。
さらに、公民権法第7編においては、女性から男性への
セクシュアル・ハラスメント、同性間のセクシュアル・ハラスメントに対しても性差別に
あたるとされ禁止しており(7)、職場でのセクシュアル・ハラスメントが起こった場合に、
日本とは桁違いに賠償額が巨額であり、1991年の改正により認められた懲罰的損害賠償
(punitive damages)によって想像を絶する額になることも少なくないのである(8)。
 
 さらに、米国では企業の社会的責任に重きが置かれていることもあり、
企業側のセクシュアル・ハラスメントの防止体制に不備があれば直接の加害者
だけでなく企業の責任が問われ多額の賠償金が課されるため米国企業は、その防止・
対策として、セクハラの予防、それに対しての教育トレーニングの徹底、及びセクシュアル・
ハラスメントの問題が発生した場合の苦情処理体制、実態調査体制と並々ならぬ努力をして
いるのである(9)。このような企業のセクシュアル・ハラスメントの態度は我国の企業も見習う
べきであるのは言うまでない。

 我国では平成19年4月1日改正男女雇用機会均等法11条において
「セクシュアル・ハラスメント」につき規定しているが、この男女雇用機会均等法違反をもって
不法な行為となるのではなく、刑法の強制わいせつ罪(176条)強姦罪(177条)などの
構成要件に該当する場合、又、民法の不法行為(709条)、使用者責任(715条)
債務不履行(415条)などの要件を満たすことが必要になるのである。

 米国のセクシュアル・ハラスメントの裁判においてはセクシュアル・ハラスメントの態様が
賠償額と関連があるが、我国の場合には、損害額の認定やセクシュアル・ハラスメントの
認定に関連がないことから、このような分類の実益は乏しいと言われている(10・11)。
 しかし、裁判上の実益がない分類とは言っても、思うに、セクシュアル・ハラスメントが
男女共にそれに対する理解の不足から起こるものであるとすると、その教育・研修・啓発
などには大いに役に立つ理解をしやすい分類であり、これ自体は一般的なセクシュアル・
ハラスメントの理解には貢献するものだと言えるのではないであろうか。

2・セクシュアル・ハラスメント被害者救済の法的枠組及び判例動向
しかし、このような類型の行為が職場においてなされたからと言って直ちにセクシュアル・
ハラスメントとして法的問題に発展するわけではないことは前述した。では、どのような
場合にセクシュアル・ハラスメントとして違法な行為とされるのであろうか。そもそも、
セクシュアル・ハラスメントを直接禁止し罰する規定は我国には存在しておらず、
セクシュアル・ハラスメントを法的に追求するには民法や刑法を根拠法として、
その責任を追及してきた(12)。

 刑法での責任追及で、加害行為者はそのセクシュアル・ハラスメントが
構成要件に該当する場合には刑法上の(強制わいせつ罪(176条)強姦罪(177条)
の責任追及がなされる。職場におけるセクシュアル・ハラスメントの裁判においては
民事での責任追及が圧倒的に多い。その理由としてあげられるのは、刑法での責任
追及をしようにも、刑法上の強制わいせつ罪(176条)強姦罪(177条)にあたるセクシュ
アル・ハラスメントが実際に職場においてなされたとして、セクシュアル・ハラスメントの
特殊性、すなわち、セクシュアル・ハラスメントの大多数が密室で行われるという点で
目撃者もおらず、さらには職場での支配従属関係の利用・濫用によって発生した場合
には事実認定はより困難になるといわざるおえない上、刑法の厳格な構成要件の下では
、責任追及が困難ということが挙げられるのである(13)。


a)使用者の不法行為及び債務不履行の成立
 そのような事情もあり民事での責任追及が圧倒的に多いのである。
「職場におけるセクシュアル・ハラスメント」が行われた際に直接の加害行為者に対して
民法では被害者が加害者に対して不法行為に基づく損害賠償請求(民709条)および、
使用者に対する不法行為責任(民715条)あるいは債務不履行責任(民415条)を追求
するという形で争われてきた。裁判において、直接の加害行為者と使用者を訴え、損害
賠償を請求するものが多い。

 例えば、直接の加害者行為者と、その使用者の責任の両方を、はじめて認めた判例
としては、福岡セクシュアル・ハラスメント事件(福岡地裁・平成4年4月16日・判例タイムズ783-60)
がある。この訴訟において林弘子先生・山田省三先生の鑑定意見が原告がわから出され、
山田省三先生の鑑定意見においては「使用者には、労働契約上の信義則上の配慮義務の
一環として、労働環境整備義務が肯定される(14)」としている。

 この判決文中には直接にセクシュアル・ハラスメントという言葉は使われていないが、
「使用者は社会通念上伴う義務として、職場が被用者にとって働きやすい環境を保つ
ように配慮する注意義務があるところ、専務らの行為は、職場環境を調整する義務を
おこたり、主として女性である原告の譲歩犠牲において職場環境を調整しようとした
点において不法行為性が認められ、被告会社はその点でも使用者責任を負う」
としたのである(15)。

 説明をもう少し加えると、「職場が被用者にとって働きやすい環境を保つように配慮
する注意義務」を使用者の不法行為上の義務とし判事した先例としての意義を有する
判例であったのである(15)。

 しかしながら、これによると「業務の執行につき」という要件を満たさなければならない。
そうなるとすると、実際は職場でセクシュアル・ハラスメントの被害があるような環境なの
にも関わらず、その防止義務の責任を使用者に問いうる事が困難になる。その中で提唱
されていたのがセクシュアル・ハラスメントを「広い意味での労災」と考え、使用者の安全
配慮義務という観点から構成しようという考え方があり(16)当初は、法律理論としては
ラフなものである(17)との批判はあったが今日においては学会にも浸透し、裁判例上
でも京都呉服事件判決(京都地判1997・4・17労判951号214頁)や
三重事件判決(津地判1997・11・15労判729号54頁)、仙台事件判決
(仙台地判2001・3・26労判808号13頁)などの判決が職場環境配慮義務を認め、
債務不履行として構成したのである。

 しかしながら、まだどのような行為が違法なセクシュアル・ハラスメントになるのかその
基準がはっきりしないといえる。その基準を、高等裁判所レベル初のセクシュアル・
ハラスメントの違法性を認めた「金沢セクシュアル・ハラスメント事件(名古屋高裁金沢支部
 平成8年10月30日判決、労働判例707号37項)」の判旨を参考にしてその違法性の判断
基準を簡単にではあるが述べておく。

 判旨「職場において、男性上司が部下の女性に対し、その地位を利用して、女性の意に
反する性的言動に出た場合、これが全て違法と評価されるものではなく、その行為の態様、
行為者である男性の職務上の地位、年齢、婚姻歴の有無、両者のそれまでの関係、
当該言動の行われた場所、その言動の反復・継続性、被害者女性の対応などを総合的に
見て、そえが社会的見地から不相当とされる程度のものである場合には、性的自由ないし
性的自己決定権等の人格権を侵害するものとして、違法となる」としている。
 
 この判決で注目されるのは、法的レベルでのセクシュアル・ハラスメントの成立要件を
明確に示した点であり、「意に反した性的な行為」の「意に反する」という基準は、「通常の
女性」ならば意に反したであろうという客観的な基準に、その他の個人的な事情が加味さ
れるべきであり、この点に関して、本判決のあげる行為の態様というのが客観的基準であ
る(18)とする見解がある。確かに、この判旨はある一定の基準を述べていると評価するこ
とは出来るが、実際にセクシュアル・ハラスメントに遭遇した被害者女性の行動では、
第三者に被害を話さない、具体的な行動をとらない、侵害行為が実際に行われているその
場で抵抗しない、というのは珍しいことではないことも考えておかなければならない。
その意味で本判決では、被害者と加害者の二人以外にその場にはおらず、強姦未遂を
認定した点は大変評価すべきことである(19)。

 又、セクシュアル・ハラスメントの被害者女性の行動の特徴、セクシュアル・ハラスメント
が起こる場所の特徴が明らかになってくるにつれて、これまで、セクシュアル・ハラスメント
の事実認定、つまり裁判において「性的言動の存否」が争われていたが、兵庫セクシュアル
・ハラスメント事件(平成9年7月29日・労働判例726-100)では「抗議をしたり、大声をあげ
たりしておらず、被害にあったことを同僚や夫、事務長等の病院の管理職らにはすぐに
相談していない(これは自認)が、職場の上司による性的な嫌がらせという事柄の性質上、
たとえ身近な人間に対してであっても被害事実をすぐには第三者に打ち明けることができ
ないことは、性的嫌がらせを受けたと女性の行動として十分理解できるところである(20)
としたものがある。このような判例は、セクシュアル・ハラスメントが人目のつかないところ
で行われ、裁判においては事実認定が困難であるという特徴を考えると非常に画期的
なものであるといえる。

 さらに素朴な疑問として、使用者責任(民法715)に関連して、使用者責任の免責
はいかなる要件において認められるかである。今日の職場でのセクシュアル・ハラスメン
トについては改正男女雇用機会均等法(平成19年4月1日施行)にその措置義務が規定
されているが、これ自体は違法性を判断するものではなく、事業主の雇用管理上の責任
を明らかにする性格の法律(21)であって私法上の法的効力は有しないとされているが
、セクシュアル・ハラスメント発生した場合の対応などが指針によって示され、措置が義務
付けられていることから考えると、セクシュアル・ハラスメントが発生した際に、その措置を
講じていたかどうかは民法715条の使用者の免責事由あたる可能性があり、裁判において
は免責要件としての最低の措置義務として従えられると考えて良い。免責要件は厳格に
解されており、その認定は厳しいものとなっており、実際は殆ど免責されないのであるが、
男女雇用機会均等法11条のセクシュアル・ハラスメント防止の措置義務に従ったものが
最低されていることが免責の要件であって、それをしていないならば、民法715条の使用
者責任を免れることはないと言える(22)ものだと解する。
 
 ところで、使用者の責任が明らかになり、社会問題としても取り上げられる中で企業は
職場におけるセクシュアル・ハラスメントに対する取組みの姿勢を問われているというこ
とが出来る。さらに、セクシュアル・ハラスメントは幅の広い問題であるが、裁判になる前に、
それらを禁止・防止する為に企業がその取組みに積極てきにならなければならないのである。
セクシュアル・ハラスメントは、前述したように第三者が見えないところで行われ対応が難しい
という特質がある。だからこそ、実際にセクシュアル・ハラスメントが行われる職場、つまりは
企業が問題として、より一層セクシュアル・ハラスメントの取組みに力を入れる必要がある
のである。次の章からは、セクシュアル・ハラスメントと被害者の雇用保護という観点から、
職場におけるセクシュアル・ハラスメント防止・企業内での対応の取組みについて述べていく。

3・職場におけるセクシュアル・ハラスメントと旧男女雇用機会均等法21条及び指針
 今日ではセクシュアル・ハラスメントは上述した判例から使用者責任が認められることから
分かるように、使用者つまり企業は職場でおこるセクシュアル・ハラスメントの防止・対応を正
しくしなければ、思わぬ損害をだしてしまうことになる。さらには、違法などとは言わないまでも、
職場内でおこるセクシュアル・ハラスメントが従業員の職務遂行の意識などの低下も考えられ
る。職場におけるセクシュアル・ハラスメントというのは、日常のささいなことから、人格権の
侵害や刑法上の構成要件に該当するものまで様々で、企業の相談窓口も対応に手を焼い
ているというのが実情であろう。

 平成11年4月1日に施行された旧男女雇用機会均等法21条「職場におけるセクシュアル
・ハラスメントを防止するための事業主の雇用管理上の配慮義務」として、指針では①職場
におけるセクシュアル・ハラスメントは許さないという事業主の方針の明確化、②苦情・相談
への対応のための窓口の明確化と、苦情相談への適切且つ柔軟な対応、③職場における
セクシュアル・ハラスメントが生じた場合の迅速かつ適切な対応、の以上三項目が、厚生労
働大臣の指針として定められた。しかし、その後も相談件数は増えているのである。東京都
の労働相談情報センターに寄せられたセクシュアル・ハラスメントの労働相談件数も平成
13年度1132件、14年度1287件、15年度1369件と、21条及び指針が定められたのにも
関わらず相談は増えているのである(23)。

 ところで、この相談件数の増加を見ると、15年度に至っては施行されて4年経過している
ので相談件数が減る、つまりはセクシュアル・ハラスメントの問題が減少していくのが望ま
しいが、表面的な数だけで評価してはならない。21条が施行されたときMMMA事件もあり、
その時代背景としてはセクシュアル・ハラスメントが法律問題として取上げられはじめ問題
意識も高まっており法律関係者、日本の女性団体などにも大きな影響をもち、MMMAが三菱
の子会社であったこともあり企業の意識に変革を起こし、セクシュアル・ハラスメントの深刻
さを多くの人が認めたことに意味があったと言える(24)。そこに、セクシュアル・ハラスメン
トの訴訟で使用者責任(民715条)が認められた多くの判例が蓄積し、さらに裁判におい
て使用者責任の免責として、21条及び指針の内容が実行されているのかも少なからず使
用者責任の免責に影響を与えると考えられるので(25)企業のリスクマネジメントとしても
セクシュアル・ハラスメントの防止・対策・対応が注目されるようになったのである。

a)改正男女雇用機会均等法11条とその実行性(改正ポイント)
 19年4月1日施行この改正男女雇用機会均等法では旧男女雇用機会均等法の片面性の
払拭が大きな変革の一つである。すなわち、「女性差別禁止」から男女問わず差別を許
さない「性差別禁止法」として変革したという点である(26)

 改正のポイントとしては、調停などの紛争解決援助の対象にセクシュアル・ハラスメント
を追加、是正指導に応じない場合の企業名の公表にセクシュアル・ハラスメントが追加さ
れた(27)。

 さらに改正男女雇用機会均等法33条には罰則が設けられ、その実効性が高
まったのである(28)。11条では、「事業主は職場において行われる性的な言動に対する
その雇用する労働者の対応により、当該労働者の就業環境が害されることのないよう、
当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用
管理上必要な措置を講じなければならない」と規定され旧男女雇用機会均等法21条より
さらに踏み込んだものになっている。つまりセクハラの防止対策を講ずること、また
問題が起きたときには迅速に事後の対策、被害者、加害者への対応をすることが義務付
けられたのである(29)。

 指針において、「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関し雇用管理上講
ずべき措置の内容(30)」として①職場におけるセクシュアル・ハラスメントの内容及び職場
におけるセクシュアル・ハラスメントがあってはならない旨の方針を明確化し、管理・監督者
を含む労働者に周知啓発すること、②職場におけるセクシュアル・ハラスメントに係る性的
な言動を行った者については、厳正に対処する旨の方針及び対処の内容を就業規則その
他の職場における服務規律を定めた文書に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発
すること、③相談への対応の窓口をあらかじめ定めること、など、企業の講ずべき措置を
細かく規定し、セクシュアル・ハラスメントに対しての対応を示している。

 何度も述べているが、この11条及び指針自体は私法上の拘束力を持つものではないとされ
ているが、今日判例でも認められた、使用者責任、職場の環境配慮義務、さらには今回の改正
ポイントから、考えるとこの指針に沿った措置をとることが、重要であると言える(31)。この改正
でより実行性が確保されたはずである。企業がよりセクシュアル・ハラスメントの予防・解決を
意識するものであると思われる。そして、セクシュアル・ハラスメントが発生した際、被害者が
相談しやすい環境が整えば、企業自体それに対応し問題の解決ができるであろう。まさに、
それが被害者の雇用保護とも言えると思うのである。

4被害者の雇用保護
 被害者の雇用保護というとセクシュアル・ハラスメントが起こった場合においてどのように
解雇無効を導き出すか、というよう直球で考えてしまいがちだが、実際のところ裁判をして
解雇無効の確定判決が出た場合に、その解雇無効判決を得た被害者は職場で何事もな
かったように就業できるのであろうか。答えはNoではないであろうか。中には、「大丈夫」
という人も、いるのかもしれないが、どちらかと言えばそのような人は稀であろう。大抵の
場合は退職してしまうといのが実情である。今まで給料をもらって生活していた者が退職を
したら、どうなるかはすぐに分かるだろう。生活が立ち行かなくなるのである。

 しかもセクシュアル・ハラスメントの被害にあっての退職であるから尚更納得がいかないで
あろう。では、そのような時、裁判で訴えるしか手が無いのであろうか。セクシュアル・ハラス
メントの訴訟においては「直接の加害者」さらに「使用者」を相手にして訴訟を提起することが
多い。しかも裁判はかなりの時間が要することもあるし、実際仕事をしない期間の生活はど
うなるのか、など被害者なのにも関わらず問題はそう簡単に解決するようには出来ていな
いというのが実際のところではないであろうか。確かに判例法浬によって使用者責任(民715)
殆ど肯定しており、今日では企業の責任は任無過失責任に近い状態となっているとは言え
実際のところ資金力から考えても被害者は苦しい立場であるのには変わりないのである。
 
 さらには日本の労働紛争の特徴として訴訟で白黒つけるのをはっきりさせることを好まない
という傾向が強いこともあり、こと性に関係するセクシュアル・ハラスメントはさらにその被害
を深刻にしていくのである(106)。

 しかしながら、人格権侵害などで違法なセクシュアル・ハラスメントになるまでには、日常
の小さなセクシュアル・ハラスメントであって、職場にそれを許さない、又は社内研修プログ
ラムなどでの啓発によってセクシュアル・ハラスメントは問題であるという意識が高まって
いれば、又は相談窓口に相談しやすい環境ならば、セクシュアル・ハラスメントが違法性を含
むような大きなものになる可能性が大幅に減るであろう。今日では企業責任は大きく、判例で
はセクシュアル・ハラスメントの使用者責任(民715条)を認めており、さらには男女雇用機会
均等法11条及び指針「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関し雇用管理上
講ずべき措置の内容(30)」として具体化し細かく規定している。その事からもさらに企業の
果たすべき責任が明確になったといえる。さらに、この改正の効果として裁判において、指針に
沿った措置が取られていなければ、その使用者責任(民715)さらには均等法違反を課され
ること、さらにはセクシュアル・ハラスメントの対策の是正指導に応じない場合の企業名の公表
という制裁などから企業のセクシュアル・ハラスメント防止に対する取組みが高まることであ
ろうと予想できる。

 ところで21世紀職業財団が平成15年に行った「企業におけるセクシュアル・ハラスメン
ト防止の取組みについて」のアンケートで従業員が1000人以上の企業の相談窓口設置率は
89・5%である。さらに過去一年の間の社員からの相談があったという企業は18・6%、
なかったという企業が54%、不明が24・7%であり、又、何故相談がなかったのかという
理由のアンケートにおいては、「相談窓口設置の周知が不十分だから」が22%、
「相談しづらい雰囲気が原因」が11・3%。窓口業務の研修が行われているのは55%、
人事労務担当が兼任している企業が60・2%、専門の担当者をおいているのは21・7%、
各職場の管理職が対応という企業が17・1%という結果であった(注105)。

 企業の窓口では、このような結果であるにも関わらず、セクシュアル・ハラスメント関係
の雇用均等室への年々相談が増えているというのは、企業相談窓口の状況に反して矛盾
であるとしかいいようがない。企業の相談窓口が従業員にとって頼りがいのあるものにな
れば、職場でのセクシュアル・ハラスメントは「相手方の意に反する不快な性的な言動」と
いう比較的小さなうちに企業内で対処できるであろう。男女雇用機会均等法11条の指針
には就業規則・服務規程などにセクシュアル・ハラスメントに対する方針を明確に定める
ことも盛り込まれている。その基準に従って、セクシュアル・ハラスメントにした従業員の
懲戒解雇、若しくは、必要な措置として配転などを行いセクシュアル・ハラスメントの被害
者の事後措置をとるべきであろう。

 結局のところ、セクシュアル・ハラスメントの予防それ自体が、広い意味で雇用保護
になると結論づけたい。「被害者の雇用保護」と考えるとき、セクシュアル・ハラスメント
が起こったその企業内で、小さなうちに処理できる体制づくりの強化、徹底したセクシ
ュアル・ハラスメント防止の社内研修、それを促すような法律、それが企業、従業員
の意識を高め、さらにそれがセクシュアル・ハラスメントの被害が深刻にならない
うちに対応できるようになり、広い意味で「被害者の雇用保護」となるのだと思わ
ずにはいられないのである。

 またそれ以外の部分で対応していく事が事態も難しい問題である以上、真の
雇用保護を導き出すために、各個人のセクシュアル・ハラスメントの認識が高まる
ことが法システムとしての円滑さを生み、広義な「雇用保護」となると解することが
出来るし、それがこの問題の根本解決に於いて最も有効であると解するのである。


                                          以上

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2011-05-31 : セクハラの基礎知識(法律ブロマガ) : コメント : 2 : トラックバック : 0 :

職場でのセクハラ 2(学術ブロマガ)

3・職場におけるセクシュアル・ハラスメントと旧男女雇用機会均等法21条及び指針
今日ではセクシュアル・ハラスメントは上述した判例から使用者責任が認められることから
分かるように、使用者つまり企業は職場でおこるセクシュアル・ハラスメントの防止・対応を正
しくしなければ、思わぬ損害をだしてしまうことになる。さらには、違法などとは言わないまでも、
職場内でおこるセクシュアル・ハラスメントが従業員の職務遂行の意識などの低下も考えられ
る。職場におけるセクシュアル・ハラスメントというのは、日常のささいなことから、人格権の
侵害や刑法上の構成要件に該当するものまで様々で、企業の相談窓口も対応に手を焼い
ているというのが実情であろう。

平成11年4月1日に施行された旧男女雇用機会均等法21条「職場におけるセクシュアル
・ハラスメントを防止するための事業主の雇用管理上の配慮義務」として、指針では①職場
におけるセクシュアル・ハラスメントは許さないという事業主の方針の明確化、②苦情・相談
への対応のための窓口の明確化と、苦情相談への適切且つ柔軟な対応、③職場における
セクシュアル・ハラスメントが生じた場合の迅速かつ適切な対応、の以上三項目が、厚生労
働大臣の指針として定められた。しかし、その後も相談件数は増えているのである。東京都
の労働相談情報センターに寄せられたセクシュアル・ハラスメントの労働相談件数も平成
13年度1132件、14年度1287件、15年度1369件と、21条及び指針が定められたのにも
関わらず相談は増えているのである(23)。
ところで、この相談件数の増加を見ると、15年度に至っては施行されて4年経過している
ので相談件数が減る、つまりはセクシュアル・ハラスメントの問題が減少していくのが望ま
しいが、表面的な数だけで評価してはならない。21条が施行されたときMMMA事件もあり、
その時代背景としてはセクシュアル・ハラスメントが法律問題として取上げられはじめ問題
意識も高まっており法律関係者、日本の女性団体などにも大きな影響をもち、MMMAが三菱
の子会社であったこともあり企業の意識に変革を起こし、セクシュアル・ハラスメントの深刻
さを多くの人が認めたことに意味があったと言える(24)。そこに、セクシュアル・ハラスメン
トの訴訟で使用者責任(民715条)が認められた多くの判例が蓄積し、さらに裁判におい
て使用者責任の免責として、21条及び指針の内容が実行されているのかも少なからず使
用者責任の免責に影響を与えると考えられるので(25)企業のリスクマネジメントとしても
セクシュアル・ハラスメントの防止・対策・対応が注目されるようになったのである。

a)改正男女雇用機会均等法11条とその実行性(改正ポイント)
19年4月1日施行この改正男女雇用機会均等法では旧男女雇用機会均等法の片面性の
払拭が大きな変革の一つである。すなわち、「女性差別禁止」から男女問わず差別を許
さない「性差別禁止法」として変革したという点である(26)

改正のポイントとしては、調停などの紛争解決援助の対象にセクシュアル・ハラスメント
を追加、是正指導に応じない場合の企業名の公表にセクシュアル・ハラスメントが追加さ
れた(27)。さらに改正男女雇用機会均等法33条には罰則が設けられ、その実効性が高
まったのである(28)。11条では、「事業主は職場において行われる性的な言動に対する
その雇用する労働者の対応により、当該労働者の就業環境が害されることのないよう、
当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用
管理上必要な措置を講じなければならない」と規定され旧男女雇用機会均等法21条より
、さらに踏み込んだものになっている。つまりセクハラの防止対策を講ずること、また
、問題が起きたときには迅速に事後の対策、被害者、加害者への対応をすることが義務付
けられたのである(29)。

 指針において、「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関し雇用管理上講
ずべき措置の内容(30)」として①職場におけるセクシュアル・ハラスメントの内容及び職場
におけるセクシュアル・ハラスメントがあってはならない旨の方針を明確化し、管理・監督者
を含む労働者に周知啓発すること、②職場におけるセクシュアル・ハラスメントに係る性的
な言動を行った者については、厳正に対処する旨の方針及び対処の内容を就業規則その
他の職場における服務規律を定めた文書に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発
すること、③相談への対応の窓口をあらかじめ定めること、など、企業の講ずべき措置を
細かく規定し、セクシュアル・ハラスメントに対しての対応を示している。

 何度も述べているが、この11条及び指針自体は私法上の拘束力を持つものではないとされ
ているが、今日判例でも認められた、使用者責任、職場の環境配慮義務、さらには今回の改正
ポイントから、考えるとこの指針に沿った措置をとることが、重要であると言える(31)。この改正
でより実行性が確保されたはずである。企業がよりセクシュアル・ハラスメントの予防・解決を
意識するものであると思われる。そして、セクシュアル・ハラスメントが発生した際、被害者が
相談しやすい環境が整えば、企業自体それに対応し問題の解決ができるであろう。まさに、
それが被害者の雇用保護とも言えると思うのである。

4被害者の雇用保護
 被害者の雇用保護というとセクシュアル・ハラスメントが起こった場合においてどのように
解雇無効を導き出すか、というよう直球で考えてしまいがちだが、実際のところ裁判をして
解雇無効の確定判決が出た場合に、その解雇無効判決を得た被害者は職場で何事もな
かったように就業できるのであろうか。答えはNoではないであろうか。中には、「大丈夫」
という人も、いるのかもしれないが、どちらかと言えばそのような人は稀であろう。大抵の
場合は退職してしまうといのが実情である。今まで給料をもらって生活していた者が退職を
したら、どうなるかはすぐに分かるだろう。生活が立ち行かなくなるのである。

しかもセクシュアル・ハラスメントの被害にあっての退職であるから尚更納得がいかないで
あろう。では、そのような時、裁判で訴えるしか手が無いのであろうか。セクシュアル・ハラス
メントの訴訟においては「直接の加害者」さらに「使用者」を相手にして訴訟を提起することが
多い。しかも裁判はかなりの時間が要することもあるし、実際仕事をしない期間の生活はど
うなるのか、など被害者なのにも関わらず問題はそう簡単に解決するようには出来ていな
いというのが実際のところではないであろうか。確かに判例法浬によって使用者責任(民715)
殆ど肯定しており、今日では企業の責任は任無過失責任に近い状態となっているとは言え
、実際のところ資金力から考えても被害者は苦しい立場であるのには変わりないのである。
さらには日本の労働紛争の特徴として訴訟で白黒つけるのをはっきりさせることを好まない
という傾向が強いこともあり、こと性に関係するセクシュアル・ハラスメントはさらにその被害
を深刻にしていくのである(106)。

 しかしながら、人格権侵害などで違法なセクシュアル・ハラスメントになるまでには、日常
の小さなセクシュアル・ハラスメントであって、職場にそれを許さない、又は社内研修プログ
ラムなどでの啓発によってセクシュアル・ハラスメントは問題であるという意識が高まって
いれば、又は相談窓口に相談しやすい環境ならば、セクシュアル・ハラスメントが違法性を含
むような大きなものになる可能性が大幅に減るであろう。今日では企業責任は大きく、判例で
はセクシュアル・ハラスメントの使用者責任(民715条)を認めており、さらには男女雇用機会
均等法11条及び指針「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関し雇用管理上
講ずべき措置の内容(30)」として具体化し細かく規定している。その事からもさらに企業の
果たすべき責任が明確になったといえる。さらに、この改正の効果として裁判において、指針に
沿った措置が取られていなければ、その使用者責任(民715)さらには均等法違反を課され
ること、さらにはセクシュアル・ハラスメントの対策の是正指導に応じない場合の企業名の公表
という制裁などから企業のセクシュアル・ハラスメント防止に対する取組みが高まることであ
ろうと予想できる。

 ところで21世紀職業財団が平成15年に行った「企業におけるセクシュアル・ハラスメン
ト防止の取組みについて」のアンケートで従業員が1000人以上の企業の相談窓口設置率は
89・5%である。さらに過去一年の間の社員からの相談があったという企業は18・6%、
なかったという企業が54%、不明が24・7%であり、又、何故相談がなかったのかという
理由のアンケートにおいては、「相談窓口設置の周知が不十分だから」が22%、
「相談しづらい雰囲気が原因」が11・3%。窓口業務の研修が行われているのは55%、
人事労務担当が兼任している企業が60・2%、専門の担当者をおいているのは21・7%、
各職場の管理職が対応という企業が17・1%という結果であった(注105)。

 企業の窓口では、このような結果であるにも関わらず、セクシュアル・ハラスメント関係
の雇用均等室への年々相談が増えているというのは、企業相談窓口の状況に反して矛盾
であるとしかいいようがない。企業の相談窓口が従業員にとって頼りがいのあるものにな
れば、職場でのセクシュアル・ハラスメントは「相手方の意に反する不快な性的な言動」と
いう比較的小さなうちに企業内で対処できるであろう。男女雇用機会均等法11条の指針
には就業規則・服務規程などにセクシュアル・ハラスメントに対する方針を明確に定める
ことも盛り込まれている。その基準に従って、セクシュアル・ハラスメントにした従業員の
懲戒解雇、若しくは、必要な措置として配転などを行いセクシュアル・ハラスメントの被害
者の事後措置をとるべきであろう。

 結局のところ、セクシュアル・ハラスメントの予防それ自体が、広い意味で雇用保護
になると結論づけたい。「被害者の雇用保護」と考えるとき、セクシュアル・ハラスメント
が起こったその企業内で、小さなうちに処理できる体制づくりの強化、徹底したセクシ
ュアル・ハラスメント防止の社内研修、それを促すような法律、それが企業、従業員
の意識を高め、さらにそれがセクシュアル・ハラスメントの被害が深刻にならない
うちに対応できるようになり、広い意味で「被害者の雇用保護」となるのだと思わ
ずにはいられないのである。
 またそれ以外の部分で対応していく事が事態も難しい問題である以上、真の
雇用保護を導き出すために、各個人のセクシュアル・ハラスメントの認識が高まる
ことが法システムとしての円滑さを生み、広義な「雇用保護」となると解することが
出来るし、それがこの問題の根本解決に於いて最も有効であると解するのである。


                                          以上

続きを読む

2011-05-31 : セクハラの基礎知識(法律ブロマガ) : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

職場でのセクハラ (学術ブロマガ)

ブロマガの購読設定を解除したつもりが解除されていなくて
すみません:(;゙゚'ω゚'):今回ブロマガになっていたのは
この記事です☆☆☆

論旨の概要

 企業のセクシュアル・ハラスメント防止についての取り組みが、
「広い意味での被害者の雇用保護」になるとの考えから、「4被害者の雇用保護」において、
広い意味での雇用保護を導きだす為に、企業の使用者責任を明らかにして、さらに企業の
セクシュアル・ハラスメント防止の取り組みの実効性を高める、改正男女雇用機会均等法11条
および指針というセクシュアル・ハラスメントの防止対策のガイドラインにそったセクシュアル・
ハラスメント防止が使用者責任の免責(民715条)とどのように関わってくるのかについて言及した。

 1では、セクシュアル・ハラスメントの定義を違法なセクシュアル・ハラスメントと道義的な
責任を負うセクシュアル・ハラスメントに分けて定義を述べ、そのa)においてはセクシュアル・
ハラスメントの分類を述べ、米国と日本の違いについて述べた。

 次には、2では、セクシュアル・ハラスメントが民事ではどのような責任があるのか、
刑法での責任はあるのかに述べ、a)では使用者の不法行為、そして使用者の債務不履行
について判例を紹介した。

 3では旧男女雇用機会均等法と改正男女雇用機会均等法の改正での違いが
分かるようにした。さらに、その中では使用者責任の免責(民715条)と男女雇
用機会均等法11条の指針というガイドラインの関係にも言及した。 そして、
この論文の主要点である、「被害者の雇用保護」を「広い意味での雇用保護」として
論じる為に、それまでに述べてきたことを踏まえて、結論づけた。



【目次】
1セクシュアル・ハラスメントの定義
a)セクシュアル・ハラスメントの分類

2セクシュアル・ハラスメント被害者救済の法的枠組み及び判例動向
 a)使用者の不法行為及び債務不履行の成立

3職場におけるセクシュアル・ハラスメントと旧男女雇用機会均等法21条及び指針
 a)改正男女雇用機会均等法11条とその実行性(改正ポイント)

4被害者の雇用保護




1・セクシュアル・ハラスメントの定義

 今日セクシュアル・ハラスメントの定義は一般的に「相手の意に反する不快な
性的言動(1)」と説明されている。このように説明されると、全ての性的な言動が
違法なセクシュアル・ハラスメントなのかと思ってしまいがちであるが、「相手方の
意に反する性的な言動」が全て違法評価を受けるわけではないということを知っておく
必要がある(2)。当該行われたセクシュアル・ハラスメントに違法性の存在がなければ、
道義的に責任を問うことは可能でも、法的責任の追及は出来ないのである。
 
 そもそも、人間である我々が性的な関心、感情を抱くことそれ自体は害悪では
ないと言える。日常の生活の中で誰かに性的関心を持ち、「お付き合いを申し込む」
「婚約をする」「婚姻をする」ということには少なからず性的な部分を含むし、それをさ
れた相手方が、その人が好みのタイプではなく「不快」に感じたからと言って、法的責
任を問いうるとすると、日常の社会生活は健全な形で機能しなくなる(3)。

 つまり、この問題は人間としての性的な感情を全て否定するものではないという
ことである。只、その性的関心、感情が起きた場合の相手方へのアプローチの
仕方が時として、法的責任を含む問題となって現れてくるのである。すなわち、
何らかの違法性を含むことが要件であるから、法的な定義としては「相手方
(被害者)の意に反する違法な性的な行為
(山田省三 日本労働学会誌94号 p35)」となるのである。

 
a)セクシュアル・ハラスメントの分類
セクシュアル・ハラスメントにはどのような類型があるのであろうか。よくセクシュアル・
ハラスメントの説明をするときに使われるのは「対価型ハラスメント」と「環境型ハラス
メント」の二つの類型である。
 
 前者は、「性的な要求を拒否したことなどを理由として雇用上不利益な決定を行う
場合(4)」を指し、その不利益の内容は解雇・降格・減給・配転などを指し(5)、後者は
「性的な嫌がらせにより職場環境を悪化させる(4)」ことを指し、男性社員がヌードポスター
を職場の壁にはったり、猥談を女性社員に持ちかけたり、というような場合を指す。

 ところで、このような分類で説明をするのは米国の影響が大きい。このような分類は
米国の雇用差別禁止立法の下で発展してきた法理である。
米国における雇用機会均等委員会(EEOC)のガイドラインにおいて、
「対価型セクシュアル・ハラスメント(quido pro quo sexual harassment)」と
「環境型セクシュアル・ハラスメント(hostile work environment sexual-
harassment)」の双方が、公民権法第7編違反の性差別にあたるとされたのである(6)。
さらに、公民権法第7編においては、女性から男性への
セクシュアル・ハラスメント、同性間のセクシュアル・ハラスメントに対しても性差別に
あたるとされ禁止しており(7)、職場でのセクシュアル・ハラスメントが起こった場合に、
日本とは桁違いに賠償額が巨額であり、1991年の改正により認められた懲罰的損害賠償
(punitive damages)によって想像を絶する額になることも少なくないのである(8)。
 
 さらに、米国では企業の社会的責任に重きが置かれていることもあり、
企業側のセクシュアル・ハラスメントの防止体制に不備があれば直接の加害者
だけでなく企業の責任が問われ多額の賠償金が課されるため米国企業は、その防止・
対策として、セクハラの予防、それに対しての教育トレーニングの徹底、及びセクシュアル・
ハラスメントの問題が発生した場合の苦情処理体制、実態調査体制と並々ならぬ努力をして
いるのである(9)。このような企業のセクシュアル・ハラスメントの態度は我国の企業も見習う
べきであるのは言うまでない。

 我国では平成19年4月1日改正男女雇用機会均等法11条において
「セクシュアル・ハラスメント」につき規定しているが、この男女雇用機会均等法違反をもって
不法な行為となるのではなく、刑法の強制わいせつ罪(176条)強姦罪(177条)などの
構成要件に該当する場合、又、民法の不法行為(709条)、使用者責任(715条)
債務不履行(415条)などの要件を満たすことが必要になるのである。

 米国のセクシュアル・ハラスメントの裁判においてはセクシュアル・ハラスメントの態様が
賠償額と関連があるが、我国の場合には、損害額の認定やセクシュアル・ハラスメントの
認定に関連がないことから、このような分類の実益は乏しいと言われている(10・11)。
 しかし、裁判上の実益がない分類とは言っても、思うに、セクシュアル・ハラスメントが
男女共にそれに対する理解の不足から起こるものであるとすると、その教育・研修・啓発
などには大いに役に立つ理解をしやすい分類であり、これ自体は一般的なセクシュアル・
ハラスメントの理解には貢献するものだと言えるのではないであろうか。

2・セクシュアル・ハラスメント被害者救済の法的枠組及び判例動向
しかし、このような類型の行為が職場においてなされたからと言って直ちにセクシュアル・
ハラスメントとして法的問題に発展するわけではないことは前述した。では、どのような
場合にセクシュアル・ハラスメントとして違法な行為とされるのであろうか。そもそも、
セクシュアル・ハラスメントを直接禁止し罰する規定は我国には存在しておらず、
セクシュアル・ハラスメントを法的に追求するには民法や刑法を根拠法として、
その責任を追及してきた(12)。

 刑法での責任追及で、加害行為者はそのセクシュアル・ハラスメントが
構成要件に該当する場合には刑法上の(強制わいせつ罪(176条)強姦罪(177条)
の責任追及がなされる。職場におけるセクシュアル・ハラスメントの裁判においては
民事での責任追及が圧倒的に多い。その理由としてあげられるのは、刑法での責任
追及をしようにも、刑法上の強制わいせつ罪(176条)強姦罪(177条)にあたるセクシュ
アル・ハラスメントが実際に職場においてなされたとして、セクシュアル・ハラスメントの
特殊性、すなわち、セクシュアル・ハラスメントの大多数が密室で行われるという点で
目撃者もおらず、さらには職場での支配従属関係の利用・濫用によって発生した場合
には事実認定はより困難になるといわざるおえない上、刑法の厳格な構成要件の下では
、責任追及が困難ということが挙げられるのである(13)。


a)使用者の不法行為及び債務不履行の成立
そのような事情もあり民事での責任追及が圧倒的に多いのである。
「職場におけるセクシュアル・ハラスメント」が行われた際に直接の加害行為者に対して
民法では被害者が加害者に対して不法行為に基づく損害賠償請求(民709条)および、
使用者に対する不法行為責任(民715条)あるいは債務不履行責任(民415条)を追求
するという形で争われてきた。裁判において、直接の加害行為者と使用者を訴え、損害
賠償を請求するものが多い。

 例えば、直接の加害者行為者と、その使用者の責任の両方を、はじめて認めた判例
としては、福岡セクシュアル・ハラスメント事件(福岡地裁・平成4年4月16日・判例タイムズ783-60)
がある。この訴訟において林弘子先生・山田省三先生の鑑定意見が原告がわから出され、
山田省三先生の鑑定意見においては「使用者には、労働契約上の信義則上の配慮義務の
一環として、労働環境整備義務が肯定される(14)」としている。

 この判決文中には直接にセクシュアル・ハラスメントという言葉は使われていないが、
「使用者は社会通念上伴う義務として、職場が被用者にとって働きやすい環境を保つ
ように配慮する注意義務があるところ、専務らの行為は、職場環境を調整する義務を
おこたり、主として女性である原告の譲歩犠牲において職場環境を調整しようとした
点において不法行為性が認められ、被告会社はその点でも使用者責任を負う」
としたのである(15)。

 説明をもう少し加えると、「職場が被用者にとって働きやすい環境を保つように配慮
する注意義務」を使用者の不法行為上の義務とし判事した先例としての意義を有する
判例であったのである(15)。

 しかしながら、これによると「業務の執行につき」という要件を満たさなければならない。
そうなるとすると、実際は職場でセクシュアル・ハラスメントの被害があるような環境なの
にも関わらず、その防止義務の責任を使用者に問いうる事が困難になる。その中で提唱
されていたのがセクシュアル・ハラスメントを「広い意味での労災」と考え、使用者の安全
配慮義務という観点から構成しようという考え方があり(16)当初は、法律理論としては
ラフなものである(17)との批判はあったが今日においては学会にも浸透し、裁判例上
でも京都呉服事件判決(京都地判1997・4・17労判951号214頁)や
三重事件判決(津地判1997・11・15労判729号54頁)、仙台事件判決
(仙台地判2001・3・26労判808号13頁)などの判決が職場環境配慮義務を認め、
債務不履行として構成したのである。

 しかしながら、まだどのような行為が違法なセクシュアル・ハラスメントになるのかその
基準がはっきりしないといえる。その基準を、高等裁判所レベル初のセクシュアル・
ハラスメントの違法性を認めた「金沢セクシュアル・ハラスメント事件(名古屋高裁金沢支部
 平成8年10月30日判決、労働判例707号37項)」の判旨を参考にしてその違法性の判断
基準を簡単にではあるが述べておく。

 判旨「職場において、男性上司が部下の女性に対し、その地位を利用して、女性の意に
反する性的言動に出た場合、これが全て違法と評価されるものではなく、その行為の態様、
行為者である男性の職務上の地位、年齢、婚姻歴の有無、両者のそれまでの関係、
当該言動の行われた場所、その言動の反復・継続性、被害者女性の対応などを総合的に
見て、そえが社会的見地から不相当とされる程度のものである場合には、性的自由ないし
性的自己決定権等の人格権を侵害するものとして、違法となる」としている。
 
 この判決で注目されるのは、法的レベルでのセクシュアル・ハラスメントの成立要件を
明確に示した点であり、「意に反した性的な行為」の「意に反する」という基準は、「通常の
女性」ならば意に反したであろうという客観的な基準に、その他の個人的な事情が加味さ
れるべきであり、この点に関して、本判決のあげる行為の態様というのが客観的基準であ
る(18)とする見解がある。確かに、この判旨はある一定の基準を述べていると評価するこ
とは出来るが、実際にセクシュアル・ハラスメントに遭遇した被害者女性の行動では、
第三者に被害を話さない、具体的な行動をとらない、侵害行為が実際に行われているその
場で抵抗しない、というのは珍しいことではないことも考えておかなければならない。
その意味で本判決では、被害者と加害者の二人以外にその場にはおらず、強姦未遂を
認定した点は大変評価すべきことである(19)。

 又、セクシュアル・ハラスメントの被害者女性の行動の特徴、セクシュアル・ハラスメント
が起こる場所の特徴が明らかになってくるにつれて、これまで、セクシュアル・ハラスメント
の事実認定、つまり裁判において「性的言動の存否」が争われていたが、兵庫セクシュアル
・ハラスメント事件(平成9年7月29日・労働判例726-100)では「抗議をしたり、大声をあげ
たりしておらず、被害にあったことを同僚や夫、事務長等の病院の管理職らにはすぐに
相談していない(これは自認)が、職場の上司による性的な嫌がらせという事柄の性質上、
たとえ身近な人間に対してであっても被害事実をすぐには第三者に打ち明けることができ
ないことは、性的嫌がらせを受けたと女性の行動として十分理解できるところである(20)
としたものがある。このような判例は、セクシュアル・ハラスメントが人目のつかないところ
で行われ、裁判においては事実認定が困難であるという特徴を考えると非常に画期的
なものであるといえる。

 さらに素朴な疑問として、使用者責任(民法715)に関連して、使用者責任の免責
はいかなる要件において認められるかである。今日の職場でのセクシュアル・ハラスメン
トについては改正男女雇用機会均等法(平成19年4月1日施行)にその措置義務が規定
されているが、これ自体は違法性を判断するものではなく、事業主の雇用管理上の責任
を明らかにする性格の法律(21)であって私法上の法的効力は有しないとされているが
、セクシュアル・ハラスメント発生した場合の対応などが指針によって示され、措置が義務
付けられていることから考えると、セクシュアル・ハラスメントが発生した際に、その措置を
講じていたかどうかは民法715条の使用者の免責事由あたる可能性があり、裁判において
は免責要件としての最低の措置義務として従えられると考えて良い。免責要件は厳格に
解されており、その認定は厳しいものとなっており、実際は殆ど免責されないのであるが、
男女雇用機会均等法11条のセクシュアル・ハラスメント防止の措置義務に従ったものが
最低されていることが免責の要件であって、それをしていないならば、民法715条の使用
者責任を免れることはないと言える(22)ものだと解する。
 
 ところで、使用者の責任が明らかになり、社会問題としても取り上げられる中で企業は
職場におけるセクシュアル・ハラスメントに対する取組みの姿勢を問われているというこ
とが出来る。さらに、セクシュアル・ハラスメントは幅の広い問題であるが、裁判になる前に、
それらを禁止・防止する為に企業がその取組みに積極てきにならなければならないのである。
セクシュアル・ハラスメントは、前述したように第三者が見えないところで行われ対応が難しい
という特質がある。だからこそ、実際にセクシュアル・ハラスメントが行われる職場、つまりは
企業が問題として、より一層セクシュアル・ハラスメントの取組みに力を入れる必要がある
のである。次の章からは、セクシュアル・ハラスメントと被害者の雇用保護という観点から、
職場におけるセクシュアル・ハラスメント防止・企業内での対応の取組みについて述べていく。


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2011-05-30 : セクハラの基礎知識(法律ブロマガ) : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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